« December 2008 | Main | January 2011 »

2010.12.23

『ラヴズ・ボディ』展とデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチ

前回の日記に書いたDavid Wojnarowicz(デイヴィッド・ヴォイナロヴィッチ)って、先日開催されていた東京都写真美術館の『ラヴズ・ボディ――生と性を巡る表現/Love's body : art in the age of AIDS』展のチラシの作品(崖から落ちるバファローの写真)の人だったのです。
Photo

私は、この展覧会を見逃してしまったんだけど、マイミクのKimさんの日記に、この展覧会に展示されていたもう一つのデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチの作品"One day this kid...."が紹介されていました。
Wojnarowiczoneday

円山てのるさんのブログに翻訳が載っていので、ご紹介させていただきます。

いつの日か、この子は大きくなるのです。いつの日か、この子は地軸から地球が分離するのと同じ感覚をもたらす何かに気づくのです。いつの日か、この子は数学では解き明かせない分野の感覚に達するのです。いつの日か、この子は心と喉と口の中で湧き起こる何かを感じるのです。いつの日か、この子は心と体と魂の中でお腹を空かせる何かを見つけるのです。いつの日か、この子は完璧な石造りの建物に住まう司祭やラビの服装をしている人たちから、いずれ自分も死ぬことを学ぶのです。いつの日か、政治家らはこの子を縛りつける法律をつくるのです。家族というものは自分の子どもたちにデタラメな知識を与え、子どもはおのおの、その知識を代々、自分の家族に伝えてゆくのです。そして、その知識は、いつの日か、この子にとって耐え難い存在として形づくられるのです。いつの日か、この子は自分に与えられた環境の中で、こうした一連の活動を経験し始めるのです。その活動と知識は、この子に自殺を強いるのです。あるいは、殺されることを期待して危険の中に身を置くよう迫るのです。あるいは、おとなしく隠れていることを強要するのです。いつの日か、この子は語るのです。この子が語り始めると、この子に恐怖を与えて黙らせようとする人たちは、手首をつかみ、監禁し、窒息させ、強姦し、脅迫し、薬を飲ませ、ロープで縛り、銃を撃ち、法律をかざし、威嚇し、動き回り、徒党を組み、空き瓶で、ナイフで、宗教のちからで、斬首刑に処し、火あぶりのいけにえにしようと襲いかかってくるのです。医者は、この子の脳がウィルスに冒されている前提で治療可能だと言明し、この子の憲法上の権利は、政府によるプライヴァシー侵害によって失われるのです。この子は実験室の中で、電気ショックを被り、薬漬けにされ、心理学者や研究者たちの調教療法を受けるのです。この子は、住む家や市民権や仕事、そして考え得るすべての自由を失って、隷属を余儀なくされてしまうのです。これら一切の出来事は、この1~2年のうち、この子が、ほかの男の子の全裸のからだの上に、自分の全裸のからだを重ね合わせたいという欲求に目覚めたときから、始まることとなるのです。
翻訳:円山てのる

まるで作品が「予言」みたいになっているような。

撤去された作品の代わりにこれを展示すればいいと思う!

| | Comments (702) | TrackBack (0)

"Hide/Seek" 同性愛をテーマにしたNational Portrait Galleryの展示

"Hide/Seek"というタイトルのセクシュアリティ(というかはっきりそうは書いていないけど同性愛)をテーマにした展示がワシントンDCのNational Portrait Galleryで行われているそう。http://www.npg.si.edu/exhibit/hideseek/index.html

100点くらいの作品が集められているんだけど、そのうちDavid Wojnarowiczのビデオ作品"A Fire in My Belly"が、撤去されたそう。 キリストの十字架像の上をアリが這う場面に、カトリック系団体から抗議があったため。


WojnarowiczはHIVによる合併症で1992年に亡くなっていて、この作品もHIVの苦しみを描いたもの。

撤去に対していろんな抗議行動が行われているらしい。

年末年始に見に行きたくなっちゃった。

| | Comments (103) | TrackBack (0)

« December 2008 | Main | January 2011 »